足あとは嘘をつかない

30代前半のサラリーマン。仕事に関するアウトプットを中心に日々おもったことを書いてます。春からは子供のことも。

権限委譲する前に考えたいこと。

生産性向上を目的として権限委譲をすすめる方向性を会社が打ち出している。世の中の動きと一致しており、違和感をあまり感じないものの、どこか納得がいっていない。なぜだろうか。

権限委譲による余力を生み出すこと。保守/運用はメンバーもしくは限定職に配分し、生まれた余力でマネジメントや改善業務に従事する。非常に聞こえはいい。

納得がいかないのは、権限委譲の対象としている現在の業務を必要不可欠なものと捉え、継続して行うことを前提としている事だろう。もちろん、人材のポテンシャルを最大限活用したい気持ちはわかるが、我々の真の問題点からズレていると言わざるをえない。幹部によく見せるための資料作成、情報共有を目的とした誰も言葉を発さない会議等、成果に結びついているとは言い難い業務の多さが、我々の問題点ではないだろうか。

それに加え、余剰な人材を抱えている点も問題だろう。月初以外は暇にしている社員、改善を生み出そうとしない、会社の教育不足だけを訴える社員。同じ問題を違う言い方をして仕事をしている感を出すだけで、抜本的な解決に繋がる決断をしない社員。成果を生んでいる優秀な社員もいる一方で、お世辞にもそうとは言えない社員も多い。

余剰人材を抱え、余計な仕事することになった理由は、自分たちの会社が潰れないという意識があることである。我々の会社は世間一般では大きい。利益を稼ぐ部署もあり、一部の部署の業績が悪くても会社全体でみれば問題がないように思うことも多い。つまり、社員一人一人が当事者意識を持ちづらい状況になってしまった。典型的な大企業病に掛かってしまったとも言える。

権限移譲によって生まれたリソースを新商品開発、新規投資、コスト削減、戦略立案に配分しようと表向きは謳っているが、自分達の会社の潰れないと高を括る体質が変わらない限り、同じ失敗を繰り返すだけではないか。今までも耳障りの良い経営方針を掲げて上手くいかなかった理由は、リソース不足だけではないはず。それに気づけないのであれば明るい未来は訪れないだろう。

繰り返しになるが、現状は余剰な人材で、余計な仕事をしている状況を改善しない限り、仕事の配分を変えても意味がない。権限委譲も大事な視点ではあるが、無駄な業務、成果に繋がっていない業務を認識し、削減することが最優先。注力すべき業務を再設定することで、現在の余剰人材も削減できるはず。

我々の会社において、人員削減などはタブーに近いような施策なので、そう簡単には実現しないことは重々承知している。それでも、将来のためにも、若手社員のためにも、何より自分のためにも一度検討すべき施策ではないか。

かなり肩に力の入った文章になってしまった。もう少し柔らかく書かなくては。